新しく山を開いてできた住宅地に計画した住宅です。あたりは空も広くのどかですが、敷地はそのさらに奥、森に面して、よりいっそう静かなところ。鳥のさえずりや虫の鳴き声に親しむ暮らしになりそうです。そんな場所へ、木造2階建て、建築面積19坪、延べ床面積32坪の家を提案しました。
プランニングの過程でまず意識したのは、東側に広がる大きな森でした。条件がよいことに、敷地と森の間にある道路も車がほとんど通らないため、静けさは確保しつつ、適度に森と距離をとることができます。
コンセプトは、森のよい部分だけを家のなかへ取り込むこと。森の借景です。周囲からプライバシーの守られたスペースをつくり、森以外のものが極力見えにくいように、またLDKと庭と森が繋がっていくような空間構成としています。
LDKから四季折々変化する森を眺め、プライバシーを気にせずに開放的に外部と繋がることができる、そして庭でBBQやアウトドアな活動ができる、そんな別荘地のような生活ができたら、という思いを込めて設計しました。
撮影:Yosuke Ohtake