これまで一緒に暮らしてきた実家を二世帯住宅に建て替えることを決めた施主ご兄弟。その土地は、変形の旗竿地で高低差もあり、さらに自治体の境界をまたぐ複雑な土地事情だった。困難な状況を乗り越え、それぞれの世帯に新たな暮らしをもたらした家づくりに迫る。
この建築家に落ち着いた印象のH邸。実はこの建物の奥に「逆くの字」型に弟世帯が繋がっている。壁の塗装はいくつものサンプルを取り寄せ、奥様が色を選んだという。
玄関ポーチ兼ガレージは、米松のピーラーを用いた。梁を現しとすることで、木の美しさや力強さを演出した。
木の温もりが感じられ白壁の清涼感がある玄関は、切妻屋根の高さを生かした。段差のある収納やニッチを設けるなど、あえていくつもの角をつくることで立体感のある仕上がりに。
切妻屋根の三角部分を活かし、高窓を設置。ここからの光が、書斎スペースにまで届くのだという。
玄関から繋がるダイニングの天井はツガを貼ったもの。屋根形状を活かした高さと南側の大きな窓、隣り合うリビングが一体となり、開放感抜群の空間となっている。