ヘアサロンを併設した店舗併用住宅を建てることにしたIさま一家。設計を担当したのはSCALE建築設計事務所の藤岡佑介さん。完成したI邸『晴るる』は、要望や敷地条件に素直に応える藤岡さんだからこそ生み出せる、唯一無二の魅力にあふれている。
この建築家に共用ホール(写真正面)に面した前庭。右が住宅、左に行くとヘアサロンがあり、前庭をコの字で囲んでいる
ヘアサロンは天井が高く開放感たっぷり。上部にはハイサイドライト、前庭に面した壁には大きな窓があり採光も抜群だ。お客さまの前の壁は趣向を凝らし、ニュアンスのあるグレーのパネルに整然と柱が並ぶ美しいデザインに。シンプルだがインパクトがあり、この空間の顔となっている
ヘアサロンからサロン入口(写真奥左)、前庭方向を見る。写真左上にはロフトもあり、仕事道具や商品などをたっぷり保管できる
ヘアサロンの顔となっているグレーの壁に使用したパネルは、コーヒーショップから出るコーヒー豆かすや紙に再生しにくい古紙などをブレンドしてリサイクルしたもの。独特の濃淡ある表情で、空間に深みを添えている
LDK。吹抜けで天井が高く、眺望がひらけた東側(写真左)には長いパノラマ窓。上にも横にも広がるのびやかな空間は明るいグレーと木目が基調。天井の現しの梁をアクセントにした、ナチュラルで落ち着ける空間だ
LDK。要望に応え、全体を見渡せる場所に大きなアイランドキッチンをレイアウト。写真右奥には、雑多なものをしまえる大容量のパントリーもある。吹抜けに面した窓(写真左上奥)を介して2階の書斎にいるご主人の様子もわかり、家族に気を配りながら家事ができる
キッチンからの眺め。掃き出し窓や小窓から南のテラスや前庭の緑が見え、心が和む。住宅入口の扉を開け放すと、その先に共用ホールが見える(写真右奥)。そのさらに先にはヘアサロン入口が。家のことをしているときも仕事場の様子がわかる
眺めの良い東側には大胆なパノラマ窓を設置。広がりのある景色を満喫できる。和室には地窓もあり(写真左)、その先の寝室との間に設けられた坪庭の緑が見える。この坪庭は、要望に応えて設計した各空間を組み合わせた結果、できてしまった「空間のアキ」をうまく活用したもの
撮影:photo@ToLoLo studio