「戸建住宅の建築は、ハウスメーカーや工務店に依頼をするもの」という意識が根強い地方都市。画一的になりがちな住宅に高いデザイン性や個性を持たせ、施主それぞれが、「自分らしい暮らし」ができる家づくりを行う建築家ユニットArchi est。異なる2人の個性から生み出される家づくりに迫る。
シャープな印象の平屋造りのN邸。屋根の一部をせり上げたような形状とすることで、デザイン性を高めるとともに、室内に光を導きロフトスペースを生み出すなど、実用性も兼ね備えた。
L字のくぼんだ部分は、芝生の中庭。外からの視線を遮るため木格子のフェンスで囲い、プライバシーを確保。
玄関までのアプローチは、クランクを設けることで視線を遮るとともに、距離をとった。素材感の違うこだわりの外壁が木の扉を一層映えさせている。
土間状の広々玄関には、Nさんの趣味の1つである古家具と奥様の趣味の花が飾られ、ギャラリーや博物館のよう。
玄関脇にある客間にもなる和室にも古家具が置かれる。愛媛県では7割程度の施主が和室を要望するという。玄関のシューズボックスも上田さんのオリジナル造作。