敷地は前面に県道が通っているものの、その先には調整区域が広がっているため良好な環境に位置する。敷地にもゆとりがあったため、計画当初から平屋を想定していた。最終的には道路から最も離れた位置に庭を取り、その庭を囲い込むようなL字のプランに落ち着いた。 当初から薪ストーブを入れる話も出ていたため、どこからでもストーブが見られるよう居心地の良いソファーコーナーや小さな書斎、ダイニング、キッチンを配置していった。和室だけは来客が泊まるための空間を想定して日常の空間とは切り離している。ただ、この家には小屋裏空間もあるのだが宿泊する来客には思いのほか小屋裏の方が人気とのこと。確かに低く抑えられた天井は居心地の良い非日常の空間と言える。 多くの居場所が点在するこの家を末永く楽しんで頂ければと願う。