家の中にプール……ではなく、美しい水をたたえた“水盤”がある。一瞬度肝を抜かれるこの家は、建築家が自邸として建てたもの。さすがは斬新!と思いがちだが、決して奇をてらったわけではない。建築家が水盤を設けたのには、本人なりの強い想い入れがあったからだ。
この建築家に外観南 道路側/南の道路から見た桜本邸。白い塀の向こうは庭になっていて、玄関はぐるっと裏手に回った北側にある。外観の一部 が少し斜めせり出しているのは、東から差す直射を得るための工夫。これだけでも朝日の入り方が全然違う
外観北 公園側/裏手の公園から見た桜本邸。建物中央を大胆に開口した造りが印象的。2階の居間にいると花見テラスに広がる青空を間近に感じ 、空の真下でくつろいでいるような開放感を味わえる
1階玄関ホール北向き/緑豊かな公園に面した玄関を入ると、約2000リットルの雨水を溜める美しい水盤が。写真左手には寝室、右手には桜本さんの事務所兼書斎 があり、写真右の階段は1.5階のキッチンに続く
1階玄関ホール南向き/南側は道路に面するが、塀で囲み、かつ、庭で距離をとっているので外部の視線が気にならない。初夏から真夏、肌に風を感じつつ、水辺の床に寝そべって夕涼みするのが桜本さんのお気に入り。外のウッドデッキの横にあるのは屋外の水盤。この先にももうひとつ屋外の水盤があり、屋内を含め、水盤は全部で3つ