居心地のよさにこだわった間取りと、ホッと落ち着く自然素材の風合いが魅力のS邸。どこにいても「気持ちよさ」を感じる空間はどのようにできたのか、設計を担当した安藤建築設計室の安藤大輔さん・かおりさん夫妻に話を聞いた。
この建築家に南の道路側からの外観。写真左が玄関、写真右にアウトドアテラスがある。外壁は鹿児島のシラス(堆積した火砕流)を原料としたそとん壁。防水、吸湿にすぐれた自然素材だ。庭はバクテリアを活性化させて土壌をよくするウッドチップを敷き詰めてある
玄関まわりは木でつくった。木製の戸はあたりが柔らかく、開け閉めが気持ちいい。玄関ポーチは広めにとってあり、「よく使う外部空間をゆったりつくると住まいが豊かになると思います」と大輔さん
アウトドアテラスはお子さまの格好の遊び場。リビングの大開口に面した部分はルーバーで囲い、プライバシーを確保。ルーバーの左側にも窓があるが道路に対して斜めになっており、木も植えられているため外部からの視線が通りにくい
LDK入口からの眺め。漆喰や無垢材の風合いが空間の魅力を高めている。画像右側のリビングは建物の軸から30度振って配置され、アウトドアテラスへの窓も斜め。各方位に窓があって見通しがよく、広く感じられる。天井の一部は構造材を見せる現し仕上げとし、豊かな表情をプラス
LDK。手前のダイニングにいると、正面から少しずれた場所にソファが置かれたリビングやアウトドアテラスがあり、一体感と独立感のバランスが絶妙。空間を広く感じる効果もある。テラスへの掃き出し窓とソファ背後の窓は道路に対して斜めに配置。外部から邸内の様子が見えにくい
アウトドアテラス側からダイニング、キッチンを見る。手前の薪ストーブは煙突まわりが小さな吹抜けになっている。ストーブの暖気が吹抜けから2階に上がり、階段を介して1階に戻るように設計してあり、冬も家中がぽかぽかに
お子さまたちお気に入りのアウトドアテラス。LDKとの一体感が高い半戸外空間で、爽やかな外気に触れてのびのびと遊べる。ルーバーがあるが道路に向かってひらけている部分もあり、お子さまの友達が遊びに来るとここから声をかけてくるそう
撮影:岡田泰治