選ばれる物件と快適な自邸を!
オーナー邸付き賃貸マンション

自邸付き賃貸マンションの建設は規模も費用も大きいだけに、長い目で見てオーナー自身が住みやすく、かつ、円滑な経営が叶うものをつくりたい。「うちはどちらの点でも大満足です」と語るYさん夫妻のパートナーは、(株)イントロンの立岡陽さん。立岡さんが設計した住み心地抜群のオーナー邸と、経営者・入居者の双方に魅力的なマンションとは?

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自邸は庭付きペントハウス。吹抜け階段&中庭で採光も通風も良好

Y邸の玄関からLDKに足を踏み入れると、思わず「わあ……」と感嘆の声を発してしまう。左に奥行きのあるリビング、右にコーナーを描くようなキッチン・ダイニングが広がり、その先には豊かな緑と青い空。アシンメトリーで動きのあるのびやかな空間と、都心にありがちな“隣の家”の気配がない開放的な眺めに、不意を突かれてしまうのだ。

ここは都内住宅街のとある駅からほど近い、Yさん夫妻が経営する賃貸マンション。夫妻の自邸は最上階につくられた、眺望抜群の屋上庭園付きペントハウスである。

10年前、Yさんが賃貸マンション経営にたずさわることになったきっかけは、お母さまが所有するマンションの老朽化だった。解体して自邸付きビルを新築するのを機に、Yさんは家族5人で住んでいた戸建てを手放し会社を退職。お母さまからマンション経営を引き継ぎ、以前から興味があった造園の勉強もスタートした。「当時私は50歳。いろいろな意味で転機でしたね。規模も費用もスケールが大きいだけに、新たなビルは、賃貸マンションとしても自宅としても満足のいくものにしたいと思いました」

だが、最初に相談した設計会社のプランに魅力を感じられず、セカンドオピニオンを求めて(株)イントロンの立岡陽さんのもとへ。Yさん夫妻いわく「とにかく的確」な指摘や提案に感銘を受け、人生の後半戦に向けた一大決心を立岡さんに託そうと決意する。

6階建てマンションの屋上に建つ自邸は、LDKなどの共用スペースがあるフロアと、家族の個室が配されたフロアの“2階建て一軒家”。ビルの7階、8階にあたるが賃貸用の1~6階とまったく違う発想でつくられており、Yさん一家も入居者もお互いにプライバシーを守れる設計だ。

「コンセプトは光と風」との立岡さんの言葉通り、邸内はどこも明るく、爽やかな風が通って心地よい。その立役者となっているのは、立岡さんが真っ先に思いついたという吹抜けの中庭と螺旋階段。玄関ホールの先、ちょうどY邸の中心に位置するこの吹抜けスペースはデザイン的にも洒落ているが、それ以上に、邸内全体に光と風をとり込み、中庭を囲む居室の平面的な一体感や、7階と8階の立体的な一体感をもたらす重要な役割を担う。

現在は造園会社に勤めるYさんが植栽した屋上庭園の存在も大きい。緑あふれる戸外からすがすがしい光と風が入ってきて、晴れた日はくっきりと姿を現す富士山が、夜はきらびやかな都心の夜景が目を楽しませる。しかも、眺望と開放感を満喫しても隣家の視線が気にならない。“これぞ、ペントハウス”である。

現在3人のお子さんは独立したが、近所に住む娘さんとお孫さんが毎日のように訪れ、夫妻の日常はとてもにぎやか。息子さんの部屋をYさんの書斎にするなど居室の使い方は変わっても、大理石や白御影石といったニュアンスのある天然素材を用いた内装デザインは10年経っても色褪せない。

意外にも、「最初はペントハウスなんて分不相応だと思いましたし、賃貸の仕様を充実させることに気が向いて、自邸は後回しだったんです」と語るYさん。
「でも、立岡さんが『一軒家を建てるのと同じですよ。いい家にしましょう』と言ってくださり、期待を大幅に上回る住まいになりました。使いやすくて居心地も非常によく、本当に感謝しています」
  • 7階(自邸)玄関ホール/邸内に入ると、ゆったりとした玄関ホールと美しい曲線を描く螺旋階段がお出迎え。半円形のガラス越しには光をとり込む中庭もある。写真右の南側がLDKへの入口、写真奥が和室、写真左の北側は応接間と水まわり

    7階(自邸)玄関ホール/邸内に入ると、ゆったりとした玄関ホールと美しい曲線を描く螺旋階段がお出迎え。半円形のガラス越しには光をとり込む中庭もある。写真右の南側がLDKへの入口、写真奥が和室、写真左の北側は応接間と水まわり

  • 7階(自邸)ダイニング・キッチン/建物の高さ制限の関係で斜めにカットされた壁が空間に動きを生み、不思議な居心地のよさがある。合わせて造り付けのダイニングテーブルも斜めに設置し、テーブルまわりの空間を均等な広さに。おかげで動線がよく、デッドスペースもない

    7階(自邸)ダイニング・キッチン/建物の高さ制限の関係で斜めにカットされた壁が空間に動きを生み、不思議な居心地のよさがある。合わせて造り付けのダイニングテーブルも斜めに設置し、テーブルまわりの空間を均等な広さに。おかげで動線がよく、デッドスペースもない

  • 7階(自邸)リビング/家族が集うリビングは開放感たっぷり。写真右の窓の先は屋上庭園、写真左の窓越しには中庭。中庭のおかげで両サイドから採光でき、風も気持ちよく通る

    7階(自邸)リビング/家族が集うリビングは開放感たっぷり。写真右の窓の先は屋上庭園、写真左の窓越しには中庭。中庭のおかげで両サイドから採光でき、風も気持ちよく通る

  • 7階(自邸)応接間/10年前の入居時は夫妻の寝室だったが、現在はお子さんたちの独立で空いた8階の居室を寝室とし、ここは応接間に。玄関やキッチンと近く、来客をもてなす際も便利だ

    7階(自邸)応接間/10年前の入居時は夫妻の寝室だったが、現在はお子さんたちの独立で空いた8階の居室を寝室とし、ここは応接間に。玄関やキッチンと近く、来客をもてなす際も便利だ

  • 8階(自邸)螺旋階段 上/8階へ上がったところ。街並みを一望でき、抜群の開放感。8階には入居時にお子さんの部屋としていた3つの居室があり、現在は寝室や書斎として使用

    8階(自邸)螺旋階段 上/8階へ上がったところ。街並みを一望でき、抜群の開放感。8階には入居時にお子さんの部屋としていた3つの居室があり、現在は寝室や書斎として使用

  • 7階(自邸)中庭/大通り側のコンクリート壁は細長く開口し、騒音などを適度に遮りつつ光と風をとり込む造りに。窓越しのリビングは写真奥の窓で屋上庭園とも面しており、両サイドからたっぷりと日差しが入る

    7階(自邸)中庭/大通り側のコンクリート壁は細長く開口し、騒音などを適度に遮りつつ光と風をとり込む造りに。窓越しのリビングは写真奥の窓で屋上庭園とも面しており、両サイドからたっぷりと日差しが入る

入居者に人気の賃貸住戸。築10年でも少ないメンテで状態良好

「何年経っても入居者に喜ばれる物件にするために、差別化できる要素が欲しい」と考えていたYさん夫妻。立岡さんへの依頼を決心したのは、自邸もさることながら、賃貸マンションのプランに強く惹かれたからだという。

単身者用の賃貸マンションというお題に対して立岡さんが意識したのは、入居者に選ばれる“快適な住空間・設備”と、経営者に嬉しい“メンテナンス負担の軽減”の2つである。

「単身者用でもバスルーム、洗面室、トイレはそれぞれ独立させ、生活空間としての豊かさを持たせました。キッチンも広めにとり、部屋タイプによっては対面式としています。また、単身者用の需要が減ったときのために、ファミリータイプに改修しやすい造りの住戸もつくっています」

内装にコンクリート打ち放しをとり入れ、外観は十字をモチーフにして洗練された個性的な表情にするなど、デザイン性も熟考。また、宅配ボックス、浴室乾燥機、ケーブルテレビ、インターネット回線などハイスペックな仕様を備え、入居者にとって見た目も住み心地も魅力的なマンションをつくりあげた。

メンテナンス面は“仕上げ”と“素材選び”にこだわった。高耐久に重きを置いて外装の防水・止水や配管などに工夫を凝らし、壁材は経年を感じにくい素材を厳選。通路の手すりは上面に微妙な傾斜をつけ、雨水が外壁側に流れないようにするなど、“劣化・汚れ”を極力寄せつけないテクニックもふんだんに盛り込まれている。

それもそのはず、(株)イントロンはマンション新築と共に大規模修繕も数多く手掛けており、立岡さんは経年に強い建物づくりを熟知している人物。事実、竣工からの10年間に大規模修繕は一度も行っていないにもかかわらず、高級感のある美観が保たれ建物としての性能も良好だ。

「竣工後、賃貸住戸は早々に満室になりました。しかも、こんなにメンテナンスが楽なのに、10年経った今でも多くの入居者の方に選んでいただいています」と語るYさん夫妻の笑顔からは、住み手として、また、経営者としての充足感がうかがえた。人生の大きな転機となったマンション建設は、立岡さんとの出会いで掛け値なしの大成功をおさめたといえそうだ。


【立岡 陽さんコメント 】
美観を保ち、メンテナンス負担が少ない建物にすべくさまざまな工夫を施しました。その甲斐あって10年経った今も状態がよく、Yさんには大変喜んでいただいています。ご自宅は、入居者の方とお互いにプライバシーを確保できるペントハウス。快適さを左右する採光・通風は吹抜けの中庭・階段がポイントです。騒音に配慮して大通りに面した方角はあまり開口していませんが、明るく風通しのよい住まいになったと思います。

【夫婦+子ども3人】
以前の仕事で建築業界の方と接する機会はありましたが、立岡さんほど話が明確・的確な方は初めてでした。自邸は住み心地抜群、賃貸住戸は入居者が絶えず、メンテナンス負担も少なくて申し分ありません。今でも何かと相談にのってくださり、定期点検も毎回立ち合ってくださいます。竣工後もそこまでしてくださる方はあまりいないようなので、本当にありがたいですね。心から信頼できる立岡さんとの出会いに感謝しています。
  • 共用エントランス/高級感漂うエントランス。オートロック、宅配ボックス、エレベーター内カメラの映像ディスプレイなど、分譲マンションに勝るとも劣らないスペックを備える

    共用エントランス/高級感漂うエントランス。オートロック、宅配ボックス、エレベーター内カメラの映像ディスプレイなど、分譲マンションに勝るとも劣らないスペックを備える

  • エレベーターホール/共用スペースはゆったりとした広さをとり、贅沢な仕様に。ガラスや御影石など内装材も厳選し、照明も駆使して洗練されたデザインに仕上がった

    エレベーターホール/共用スペースはゆったりとした広さをとり、贅沢な仕様に。ガラスや御影石など内装材も厳選し、照明も駆使して洗練されたデザインに仕上がった

  • 賃貸住戸/ケーブルテレビ、インターネット回線など充実設備の住戸は、コンクリート打ち放しをアクセントにしてデザイン性も高めた。単身者用の賃貸マンションは狭いハコに最低限の設備を押し込めた造りも多いが、水まわりはそれぞれ独立させるなど、“家”としてのしっかりした間取りも人気の秘密

    賃貸住戸/ケーブルテレビ、インターネット回線など充実設備の住戸は、コンクリート打ち放しをアクセントにしてデザイン性も高めた。単身者用の賃貸マンションは狭いハコに最低限の設備を押し込めた造りも多いが、水まわりはそれぞれ独立させるなど、“家”としてのしっかりした間取りも人気の秘密

  • 外観 南側・北側/外壁は南北で色味を変えるなど、遊び心あふれるデザイン。外装仕上げの工夫と、劣化を感じにくい素材の組み合わせで、築10年とは思えないほど美しい

    外観 南側・北側/外壁は南北で色味を変えるなど、遊び心あふれるデザイン。外装仕上げの工夫と、劣化を感じにくい素材の組み合わせで、築10年とは思えないほど美しい

  • 外観/大通りに面した正面の外観。デザインモチーフは“十字型”。小さな十字には「個の空間の分割」、大きな十字には「その個の空間をまとめるひとつの建物」という意味合いが込められている

    外観/大通りに面した正面の外観。デザインモチーフは“十字型”。小さな十字には「個の空間の分割」、大きな十字には「その個の空間をまとめるひとつの建物」という意味合いが込められている

撮影:アトリエあふろ(糠澤武敏)

基本データ

施主
Y邸
所在地
東京都練馬区
家族構成
夫婦+子供3人
敷地面積
598.86㎡㎡
延床面積
1572.45㎡㎡