シンボリックな大屋根を持つ印象的なこの建物。実はこれはとある企業の倉庫兼社屋。 一級建築士事務所マとバ…の提案した、柱のない大屋根のダイナミックなデザインが、トラックヤードの機能性を高めつつ、コストダウンももたらした。さらに、この大きな軒下空間は、広く親しまれるイベントスペースとしても活用され、地域コミュニティの醸成にも一役買っている。
この建築家に新旧の住宅が混在する地域に佇む、大屋根が特徴的な社屋。大屋根は大通りからも視認でき、アイキャッチとなっている
企業の社屋とは思えないモダンな外観。道路に対して広々としたオープンスペースを備え、植栽や中二階のテラスで地域にも開かれた懐の深さをもつ。
夜になると、室内の光が庇のヒノキを柔らかく照らし、モダンで幻想的な雰囲気に。1階は2階分の天井高をもつ倉庫、2階がオフィスとなっている。
建物本体から10m以上はねだしている大屋根のシルエットが浮かぶ。両サイドの防風・雨除けスクリーンのガラスは、隣接建物に配慮し半透明に。
トラックヤードを覆う大屋根の軒裏はヒノキの板張りに。3か所のトラス構造の梁で大屋根を支え、柱を省くことで10トンウイング車の出入を容易にし、コストダウンも実現。
中二階に設けられた木漏れ日テラス。天窓からの光が植栽を柔らかく照らす。社員や訪れた人がホッと一息。
撮影:笹の倉舎/笹倉洋平(「※」は除く)